狼狽売りと損切り
トレードの世界では、損切りというビジネスで言う必要経費みたいなものがあります。
ビジネスだと売上があって、モノの仕入値段があって、送料や、手数料などを差し引いて今月の利益はいくらと計算するのが当たり前だと思いますが、
トレードだと、直に利益と損失というものが来る感覚があるので、損をする事自体が著しく悪いもというようなイメージになります。
しかし、トレードも利益計算の考え方はビジネスと一緒で良いと個人的には思っていて、
利益を出すのは月間のみで、日々のプラスの収入は売上と考え、損切りなどをしたときのマイナスの支出は売上原価と考えます。
そして、この売上から売上原価を引いた金額が利益という訳です。
原価率はやるものによって差があれど、費用が一切かからず稼げる事ってないと思います。
トレードも全く一緒で、全戦全勝はあり得ず、将来の事が分からない中で、また、たまにあり得ないような事も起こる中で、
クリティカルな損失を回避し、資産を増やし続けるためには、この適切な損切りという必要経費の考え方がなければ絶対にダメです。
3歩進んで1歩下がったり、1歩下がって3歩進んだりみたいなのがトレードなので、
売上だけにフォーカスしてもダメですし、売上原価を過度に嫌うというのもナンセンスです。
月間(もしくは週間)で、プラスの利益を積み上げる為に、売上はきちっと上げる事は当然の事、
必要経費もきっちり適切な額を計上していく必要があります。
ただし、ビジネスでも無駄な経費というのがあるように、トレードでも必要以上に費用をかける事はダメです。
その一つに「狼狽売り」というものがあります。
トレードは常に想定の範囲内でやる必要があり、
想定の範囲内であれば、含み損が先行したとしても待つ必要があります。
ここで、想定の範囲内なのに単純に含み損の額を見て狼狽して売ってしまうのは損切りではありません。
損切りというのはあくまで、自分の想定と違った方に動き、予め決めていたポイントで、それ以上損を拡大させないために適用するものです。
とてもロジカルに決めるものであり、感情で決めるものではありません。
損切りというのは必要経費ですが、狼狽売りというのは無駄な経費という感じです。
とは言っても、最初から全てをうまく出来る人はいないので、一つ一つ経験し、学び、克服する以外解決策はないのですが、
知識として、必要経費の考え方を覚えておくとよいと思います。