机上とリアル

トレードの世界では「複利」という言葉が 他の分野と比較した場合の優位性として取り上げられる事があります。 例えば100万の資金を月利10%で複利運用すれば4年で資産は1億円になるといった計算です。 そして、トレードであれば、どれだけ資金が増えても、やる事は変わらず、 掛ける金額を5倍、10倍、100倍と資金が増えるに連れ上げていくだけです。 これ自体はその通りなのですが、 実際にやると、机上で表されるよりも深い感情というものがトレードには入ってきます。 実際に10万円の利益を上げる過程で、 10万の含み損の後に上昇して、10万の確定利益となるというような事は日常茶飯事です。 さらには、100万の元本で月利10%だと、月間で10万稼ぐという事になります。 しかし、その中身は例えば100万の利益と90万の損切りで成り立っています。 100万の利益が上がった後に90万の損切りが来たときには、 幻の100万のような感じで、机上で言う月利10%は達成出来ているはずなのに、 気分は落ち込みます。 又、90万の損切りが先に来て、その後100万利益を上げるケースもあります。 しかし、この場合には90万の損切りをした時点で、自分のトレードに自信がなくなったり、 また同じように90万損をするのではないかという恐怖心で、100万の利益機会でトレード出来なくなってしまいます。 ゆえに、机上で「月利10%」といっても、その間には損益の浮き沈みに伴う感情の浮き沈みもあり、それらとも上手く付き合って淡々とトレードしていけるというメンタルが必要になります。 さらには、無知であれば、自分が何をやっているか分からない事により、感情に勝てず負けた後消極的なトレードになったりしてしまいます。   すなわち、机上で数値を並べる分には、ビジネスなどに比べて簡単なように見えますが、 目に見えない(数値化出来ない)感情部分について、揺さぶられやすいのがトレードなので、 最初はそこが難しく、そこが克服出来れば数値を増やすのは簡単なので突き抜けられると考えています。 よって、どれだけその事に一早く気付いて、その感情の起伏に慣れ克服し、100万利益で90万の損切りでも、 90万の損切りの後100万の利益でも、淡々と冷静にやれるかです。 これは、完全に慣れなので、トレードを現在やっている人はもちろんの事、これからやろうとしている人も頭に入れておく事をお勧めします。

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