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昨日、名古屋IRエキスポの話をしましたが、その中のイベントの一つで優待投資でお馴染みの桐谷広人さんの講演会がありました。(桐谷さんまとめサイト)http://certificate-ex.com/Lb7/27641その中で語られた経験談が、私が最近考えている事と非常にマッチしたので、今日はその話をしたいと思います。桐谷さんは元将棋のプロ棋士で、将棋を教えていた、銀行マンの勧めで株を始め、1980年代のバブルでお金が増えたのが株を始めたきっかけだそうです。しかし、バブル崩壊で当時稼いだものを失い、しばらく株を辞めていたそうです。が、やはり気になり株を再開し、ITバブルで資金を1億円まで増やしたそうです。けれど、ITバブル崩壊でまた1億円を全て溶かしてしまいます。ただ、腐る事なくまた始めその後来る小泉バブルで資産を3億にまで増やしたそうです。が、再びリーマンショックで資産を1/6まで減らしてしまいます。ここで、値上がり益を狙う投資は、危険で、精神的に自分に合わないと判断して今の優待投資に切り替えたのだそうです。株式投資を30年以上やられている方の話をここまで金額を含めて生で聞いた事がなかったので大変勉強になりました。特に、将棋のプロ棋士だったという事もあり、数値や年代を含め記憶力がもの凄くいいなと思いました。直近で言うと、サブプライムローンに端を発するリーマンショックでの資産の目減りが最も胃を痛めたらしいのですが、これにより資産を失った投資家は何も桐谷さんだけではなく、世界一の投資家であるウォーレンバフェットが経営しているバークシャーハサウェイも2008年だけはパフォーマンスがマイナスです。さらには、当時高いパフォーマンスを誇り優秀だとされていた投資ファンドなどがこぞってサブプライムローン関連の証券に投資をしており、倒産を余儀なくされました。そして、こういった事例は過去にもたくさんあり、それらを教訓に自分だけは回避出来ると思い、皆株式投資などに参加する訳ですが、本当に回避出来るのかという事を最近よく考えます。というのも、桐谷さんは、3回も稼いではなくすという経験をされていますが、記憶力やなくすほどにそもそも稼ぐという能力が優れています。さらに、サブプライムで倒産したあまたのファンドのマネージャー達も、恐らく当時考えられる事を全て考慮して合理的だと判断したので、サブプライムローン関連の証券に投資をした訳です。少し話は逸れますが、私自身を振り返っても、大学生の頃は、100%それが合理的だと思って公認会計士の資格を目指しましたが、現在は全く違う事をやっています。つまり、当時最も合理的と考えられる事が、将来必ずしも合理的にはならないという事を最近もの凄く考えています。よって、100%合理的だと思って投資したものも常に間違える事があるという事を考慮する必要があります。で、その原因は何なのかという事を考察するにまずは自分の知っている事には限界があるという事です。会計士を目指していた頃には、起業や投資もした事がなかったので、その実態は知らなかった訳です。ゆえに、今最適だと思える合理的な選択を当時は取れませんでした。次に、時代の変化です。私が大学生だった頃は、インターネットが今ほど普及していた訳でもなく、スマホなどもなかったので、ネットを使って個人が収益化を図るという選択肢自体が取れませんでした。この2つの要素は常にあり、だからこそ、今考え得る合理的な選択というのは、将来における成功を約束するものではなく、常に間違える可能性をはらんでいると考える方が自然です。では、どうやったらこの常に不合理な選択を回避出来るのか、つまりは将来において正しかったと思える選択を現時点で取る事が出来るのかという事なのですが、ちょっと長くなってしまったので、明日またそれについて書こうと思います。