上場すると社長が金持ちになる理由
先日アメリカのフォーブス誌が資産額に基づく世界の富豪ランキングを発表しました。
日本はソフトバンクの孫社長が2.6兆円でトップです。
http://forbesjapan.com/feat/japanrich/
*富豪ランキングが資産で発表されている通り、金持ちかどうかは資産額で決められ年収は関係ない事になります。
ランキング50位以内での最年少はコロプラの馬場功淳社長で39歳です。
資産額は790億円で第50位です。
アメリカとかを見るとこの資産額も段違いで、1位のビルゲイツ氏は約9兆7000億円、自力で富を築いた最年少のビリオネアとなったのは、モバイル決済のストライプの共同創業者である26歳のジョン・コリソン氏で、その資産額は約1200億円です。
ちなみに国別で見るとビリオネア(10億ドル以上)の数が最も多かった国は米国で565人、2位は中国の319人、3位はドイツの114人、4位はインドの101人、日本は33人です。
上記の日本のトップ50を見ても明らかですが、ほとんど上場企業の社長です。
これは世界的に見てもそうです。
上場企業の社長がなぜ桁違いな金持ちになるかというと、保有している自社の株価が上場により上がるからです。
何となくこの事を理解している人も多いと思いますが、体感としてどのぐらい上がるのかというのはあまり考えた事がないと思います。
例えば、1年間営業して利益1000万円稼ぐビジネスを保有していたとします。
月83万円ぐらいの稼ぎなので、このメルマガの読者の方の中にはこれ以上稼いでいる人もいると思いますし、
まだここまでいっていなくても頑張れば現実的な数値であるとイメージ出来ると思います。
この企業が上場すると、企業価値はどのぐらいかというと、平均して1.5億〜2億です。
*もちろん、上記利益だと上場基準に達していないなどにより現実的な上場は厳しいですがあくまでイメージです。
創業社長が株を100%持っているという事も普通なので、年1000万しか稼ぐ力がないのに、資産が一気に2億円になるという事です。
期待が大きいと10億円とかにもなります。
これは、どういった事を根拠に算出している数値かというと、PERという数値です。
PERとPrice Earnings Ratioの略称で和訳は株価収益率と言います。
株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度で、 時価総額÷純利益で算出されます。
PER=時価総額÷純利益です。
ここで、日本の上場企業のPERの平均は15〜20%です。
ゆえに、上記式を少し変形し、
時価総額=PER×純利益とする事ができます。
よって、時価総額=20×1000万=2億となる訳です。
創業間もない企業で期待が大きいとPER100倍という事もあるので、
時価総額=100×1000万=10億となります。
ゆえに、1000万しか稼ぎがない会社なのに、企業価値は10億となり、その企業の全持分(100%)を保有しえちる創業社長の資産も10億円になるという事です。
これが、1億の稼ぎだったら100億円ですし、10億円の稼ぎだったら1000億円という事です。
こういったその企業への期待を担保に収益より高い企業価値が付けられ、その企業の株を保有している個人も富むという訳です。
フローの稼ぎを一気に15〜20倍の価格でストックに変えてしまうのが上場です。
そして、その後も利益の15〜20倍でストックが増え続けるのです。
例えば、1000万円から2000万円翌年利益を増やしたとすると、個人であればそれだけですが、
上場していれば株価も理論的には2倍になり、資産もPER20倍の場合、2億から4億に増えます。
こういうメカニズムがあるので、上場している人の方が富豪になるには圧倒的に有利な訳です。
上場企業の創業社長を除けば、個人トレーダーだと思います。
又、上場しても倒産なんて事例がある通り、上場企業の社長はその会社と運命共同体です。
しかし、個人トレーダーは常に臨機応変にリスクヘッジやより高収益の企業に簡単に乗り換える事も出来るので、
安定度は抜群にあると思っています。
ただ、日本で創業社長のトップが兆の資産額で、日本の個人トレーダーのトップは何百億の世界なので、100:1ぐらいの差は平均するとあるのも事実です。