管理コストを増大させる内部統制

私はサラリーマンから独立して約5年ですが、その間社員を雇って組織化して、自分が作った仕組みを回してもらい、 腰掛け社長のような感じで、指示を出すだけという環境に魅力を感じた時期も少なからずありました。 ただ、今思えば1人でも十分に利益を伸ばして行く事が出来、組織化すると自由度が圧倒的に減るので、やらなくてよかったと思いますが、 当時も、やったら稼ぎのスピードが鈍化すると思っていました。 それは、単純に社員が増えると給与などの固定費が上がるというのもありますが、 会計士時代様々な組織化された企業を見ていて、内部統制のコストがハンパなくかかると思っていたからです。 内部統制というのは、社員がミスや不正を働かないようにするためのチェック機能です。 *上場企業などはこの内部統制についても、監査法人の監査を受けなければなりません。 安定感がある企業ほど、社員は必ず不正をするという性悪説に立ってルール(内部統制)を決めます。 安定感のない中小企業ほど、自分が直接面接して採用した社員だからという「情」を重視して、内部統制について社長の意識が低く、横領などの不正が起き、一気に財務状態が苦しくなったりなどという事例はヤマほどあります。 人は時に弱いので、不正などの誤った行動を起こす可能性は誰にでもあります。 ゆえに、社長は大事な社員にそういう事を起こさせないためにも、性悪説に立って内部統制を構築する必要があるのですが、 その考え方があべこべになっている中小企業の社長は多いです。 そして、この考え方がしっかりしていて内部統制をしっかり構築すると、不正やミスは起きにくくなりますが、 承認作業が多くなり、作業効率が圧倒的に落ちます。 特に中小企業など管理者が社長1人などであれば、生産性のない雑務に圧倒的な時間をとられ、成長速度が鈍化する可能性があります。 成長性を追求して、内部統制を疎かになれば、どこかで足下をすくわれ、逆に内部統制をしっかり構築しても、生産性のない管理作業時間が増えるだけなので、これまたマイナスなのです。 よって、飲食店など組織化しないと物理的に無理なものはしょうがないですが、 ネットビジネスやトレードなど1人でも出来るようなものは、外注を駆使するなどして、出来るだけ1人で利益を伸ばす事を追求するのがよいです。 組織化して皆で働くというような事に対して魅力を感じる事もあると思いますが、 個人資産1億の前にはそれすらマイナスなので、 1億まではとことん1人で利益を高める事に集中して、そこまでいけばその後も半永久的に年収400〜500万は保証されるので、 組織化をどうしてもしたい人はそれからでも遅くはないと思います。

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