名人は相場の恐さを知る
相場には様々な格言がありますが、その中で「名人は相場の恐さを知る」という格言があります。
損切りをしたりすると、恐怖感が芽生え、相場に対峙する事が恐くなるといったような事です。
ただ、この恐怖を感じるというのは、トレーダーとしては必須な感覚で、
恐怖心があるから、研究し、より確実なところを探し、そこでエントリーして手堅く勝っていくという事を繰り返せます。
この恐怖心がなく、単にスリルを楽しむだけではただのギャンブラーです。
又、恐怖心があるからこそ、常に絶対はないと思えより慎重に相場と対峙出来たりします。
例えば、戦国時代などは、ミスれば命を落とすような戦乱の世です。
その中で生き残るには、闇雲な勇気だけでは無理で、緻密な戦略と行動が求められます。
そして、その緻密な戦略は恐怖心を抱く人ほど、様々な命を落とす可能性を模索出来、
それに対する対策を事前に講じる事が可能になります。
闇雲な勇気だけの人は、戦に出て死の直前に、これは防げた事だったと悟る人も大勢いたと思います。
男からしたら、部下を率いて騎馬の先頭で、敵に向かっていく大将が一番かっこいいように感じますが、
通常大将というのは、戦の現場には行かず、城や自陣の奥深くで待機して戦略を練るのみです。
大将が破れればその国も終わりという事も当然あると思いますが、
それ以上に、命を落とすという事を人一倍恐れる臆病者とも言えます、
しかし、これこそが勝ち抜くためには、重要で、いつの世にも血気盛んな武将が天下を取るという事はなく、
天下を取る武将は皆一様に臆病者なのです。
さらには、生き残った人しか出世の機会はないので、ヘタレでも生き残った者勝ちなのが戦乱の世です。
トレードもこれと全く一緒だと思っており、現代の戦国の世界だと思っています。
毎日秒単位の斬り合いです。
しかし、本当に勝つ者は、無駄な斬り合いには一切参加せず、血気盛んな敗者が大量に斬り合い、打ち死にした後に、
弱った人達だけを相手に勝っていくといったイメージです。
トレードに限らず、いつの世でもどんな分野でも天下を取ったり、成功したりする人は臆病者です。
臆病者だからこそ、細部まで気になり、研究/勉強しより慎重に行動します。
時代によっては、生まれや家柄などで、天下をとったり、成功したりするのが難しい時代もあったと思いますが、
現代は誰もが自由に情報を得て、自由な生き方が出来るので、誰もが天下を取る武将になったり、足軽にもなり得るのです。
自分の今の行動スタンスなどが、天下を取る武将のように緻密な戦略の元での行動か是非検証してみる事をお勧めします。
個人的には、恐怖を感じる事が、成功へのスタートだと考える次第です。
そして、恐怖を拭えるほどの緻密な戦略が立てられるのかここがいつの時代も難しい課題となります。
この課題をクリアした先が成功だと考えています。