海外志向
私が以前、公認会計士として勤めていた会社はグローバルファームで、
世界中にグループ会社があるような企業でした。
よって、先輩なども優秀な人はイギリスやアメリカ、ドイツ、インドネシアなどほぼどこかしらの海外ファームに数年勤めていた人が多かったです。
試験を受かって、入社して5年~10年目ぐらいのどこかで、2~3年ぐらい海外のグループファームで経験を積むという感じです。
私も、働く時間、場所、給与が縛られるという環境は嫌でしたが、
この海外で修行を積めるという環境には非常に魅力を感じており、
公認会計士としては働くのであれば、海外には絶対行きたいと思っていました。
が、私の場合は4年で辞めているので、参加資格もなく、海外のグールプ会社で働くという経験を経ずに独立しました。
独立後は、目の前の仕事をこなす事が精一杯で、短期的な売上/利益を100%で考えていました。
そして、独立からは約5年、会社設立からは約4年経ち、ようやく中長期的視点で物事を考える事が出来るようになり、最近海外志向が再熱してきたように思います。
ただ、当時のような単純な憧れのような動機ではなく、
超合理的な考えから来る動機です。
よく、主婦でアルバイトをしている人が、税金や社会保険の事を気にして、
年収を調整してバイトなどしている人がいますが、
私も人より税金等の知識があるので、ここ数年は自然と売上/利益を調整するように頭が働いていました。
というのも、日本は累進課税なので、少し大きく稼ぐとすぐに半分持っていかれます。
よって、年収を高くしてもあんまり意味がないのです。
しかし、会社に残していても、30%は法人税で税金が取られるので、個人で半分持っていかれる事に比べれば2割安いといえど、高いのです。
すなわち、売上/利益をがんがん伸ばしても、控除率が高くなるだけなので、
それが自然と頭にしみ込んでおり、稼ぐモチベーションが独立当初に比べると減退していた気がします。
そこで、税率が20%と安い投資の方が税金という意味ではモチベーションが上がり、
のめり込んだのですが、これも稼ぎが上がるにつれやっぱり高いと感じてきます。
株/為替の売却益などのキャピタルゲインは課税しないというのが金融先進国の常識で、
日本では100万円稼ぐと20万円を税金として支払うわけですが、キャピタルゲイン課税が無税であればこの税金分の20万円で1ヶ月生活する事も可能な水準です。
さらには、BNFさんやCISさんが日本株で何百億とかの資産を築いた当時は株の税率は10%と今の半分だったので、単年で見ても違いますが、複利に直すと、資産構築スピードが鬼のように違う結果になり、そういう事を考えると今は不利だよなと思ったりするわけです。
よって、公認会計士の時には、ロンドンやNYで働けたらカッコいいし、世界のトップレベルの会計士と競い合えるのが楽しみというような楽観的な憧れの動機が強かったのですが、
今は、「資産を構築する」という経済合理性の観点から海外移住を検討しています。
ただし、会計士時代では実際に行った先輩の話を聞いたり、行くところも先進国が多く、住まいの確保などもしてもらえたので、
働く事に集中すればよく、住環境などは考える必要も特になかったのですが、
独立した状態で全てを自分で決めていいという状況になると、治安や衛生、国民性、相性、家賃、物価の相場など、考慮事項というのは結構たくさんある事に気付きます。
しかし、全てを自由に決めていいという環境下にワクワクもします。
今、色々な国をリサーチしており、
資産を構築するという事を最優先事項として、実際に住む事も含めどこがベストなのか、
また、経過を含め私の考えを時々シェアしていきたいと思います。