税金だけを考えてはいけないタックスヘイブン地区

先日も書きましたが、タックヘイブンの地区は税金は安いですが、その他のところで必ず収入を得ています。 その中でもその地での消費(特に家賃収入)という部分はタックスヘイブンの地区においては大事な収入源となります。 日本にもタックスヘイブン税制というのものがあるため、基本的には海外に居住しなければ(日本非居住者にならなければ)、日本の税から解放される事はありません。 そのため、タックスヘイブンの地区を利用するには、その地に住む事が原則必須です。 *例外的に外資を51%以上いれればよいというようなルールのところもありますが、過半数資本を入れるという事は会社をのっとられる可能性もあるので、当該外資との信頼関係も必要で現実的には難しい場合がほとんどだと思います。 そして、住むとなったときには、家賃が発生しますが、この家賃が結構高いです。 タックスヘイブン地区で現実的に住む事を考えると、シンガポール、香港、ドバイ辺りが考えられると思いますが、 1LDKで月額20〜30万円ぐらいはします。 *住む地域や築年数などの諸条件によりもちろん多少増減はしますが大体こんなもんです。 月額30万円で、仲介手数料(敷金等含む)などを加味すると年間400万円ぐらいが家賃で消える事になります。 さらに、物価が大体1.5倍ぐらいはしてくるところが多いので、現在月10万円(家賃抜き)で生活をしていたとすると、15万円ぐらいかかる事になります。 よって、普通に生活するだけで、550万円プラス諸経費等で、大体年間600万円ぐらいかかるというざっくりとした計算が出来ます。 家賃込みで現在日本で月20万円の生活をしている人が、 タックスヘイブン地区に移住すると考えると、360万円(600-240)の追加費用がかかってくる事になります。 この360万円以上の税金を毎年払っているのであれば、タックスヘイブン地区にいった方が資産を構築するという上ではお特という事になります。 一方、360万円も税金を払っていない人にとっては、いくら無税の国にいったとしても、 逆に損をしてしまう結果になります。 よって、最低でも年収1000万円以上ないと、あまりタックスヘイブンを利用する意味はないという事になります。 反対に年収4000万とかだと2000万円ぐらい税金を払うので、360万円追加コストがかかったとしても、1640万円(2000-360)もお得になり、資産を構築する上では、タックスヘイブン地区にいった方がよいという事になります。 こういう税金以外のコスト面を考えると、意外にハードルが高いという事が分かるかと思います。 ただし、資産1億を構築する上では、どこかで収入を劇的に上げていく必要があり、当該収入が上がった時に資産構築の足かせになるのが税金なので、 収入を伸ばした先の選択肢としてはやはりタックスヘイブン地区への移住というのは頭に入れておくべき事項だと考えています。